股関節にある軟骨がすり減ったり変形したりすることで、痛みや動かしにくさが生じる病気です。原因としては、運動による繰り返しの負荷、体重の影響、加齢に伴う変性などが挙げられます。足の付け根やお尻の違和感、歩行時の痛みや関節のこわばりが見られることが特徴です。治療は保存療法によるアプローチから始め、進行した場合は人工関節の置換を検討することもあります。

股関節には「関節唇」と呼ばれる軟骨の一部が存在し、スポーツなどで過剰な負荷がかかると、裂けたり炎症を起こしたりすることがあります。痛みや違和感に加え、関節が引っかかるような感覚や動きにくさ、力の入りづらさといった症状が現れるのが特徴です。治療はまず安静やリハビリを中心とした保存療法から始め、症状の改善が見られない場合は手術を検討します。

大腿骨の先端にある「大腿骨頭」への血流が滞ることで、組織が壊死する疾患です。原因には外傷による強い衝撃、ステロイド薬の使用、血液の凝固異常などが挙げられます。進行すると股関節に痛みが生じることもあり、壊死の範囲や位置に応じて、保存療法や手術を行っていきます。

膝関節の軟骨が年齢とともに摩耗し、痛みや違和感を引き起こす疾患です。階段の昇降やしゃがむ動作で痛みを感じやすく、筋力の低下が進むと歩行時にも痛みが出るようになります。治療では、関節への負担を減らす姿勢や動作の指導に加えて、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れたリハビリテーションを行います。

膝関節の中でクッションのような役割を担うC字型の軟骨「半月板」は、大腿骨と脛骨の間に位置しています。転倒や強い衝撃によって損傷することがあり、年齢を重ねるとそのリスクはさらに高まります。損傷時には膝の痛みや動作時の引っかかり感が見られ、放置すると状態が悪化する可能性があるため、早期の受診と治療が大切です。

膝蓋骨と大腿骨の接する部位に炎症が起こる、あるいは軟骨の摩耗が進行することで生じるのが膝蓋大腿関節痛症候群です。特に長距離ランナーなど、膝に繰り返し負担をかけるかたに多く見られます。立ち上がる、しゃがむ、走るといった動作で痛みや違和感が出るのが特徴で、安静を保ちながら薬物療法や理学療法による症状の軽減を図ります。

足の裏にある足底腱膜に炎症が起こることで生じる疾患で、運動の習慣や体重の増加などが原因となり、腱膜に過度な負担がかかることが主な要因とされています。特に、踵付近に鋭い痛みを感じることが多く、負荷が加わった後に症状が強く出る傾向があります。治療ではストレッチなどのリハビリテーションに加え、痛みを抑えるための薬物療法が行われます。

爪先が細いハイヒールなどの靴を長期間履き続けることで、足の親指（母趾）が内側に曲がってしまう状態を「外反母趾」と呼びます。親指の付け根にあたる関節に痛みやしびれ、腫れが現れ、進行すると歩くのが困難になるケースもあります。治療としては、足に合った靴の選び方の指導や、装具の装着、運動療法、薬物療法などがあり、症状が改善しない場合は手術が検討されます。