
「部活を休みたくない」その膝の痛み、様子見でよいか迷っていませんか
レギュラー争いの時期に「膝の下が痛い」と訴えるお子さん。応援したい気持ちと将来への心配が入り混じりますよね。この記事では、一時的な成長痛と受診を検討したいスポーツ障害の見分け方、家庭でできるケア、部活と通院を両立するヒントをお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 成長痛は夕方~夜間に痛む部位が変わりやすく、スポーツ障害は運動時に一点が痛む傾向がある
- 歩き方の異常や腫れ、痛みが長引く場合は早めの受診検討が目安になる
- 栄養・睡眠・シューズの見直しと、エコー検査やリハビリで部活と通院の両立を目指せる
成長期の子どもの膝に起こる痛みの原因とは?成長痛とスポーツ障害の違い

小学生や中学生の膝の痛みには、大人とは異なる成長期ならではの身体の仕組みが関わっています。まずは骨の構造を知り、一時的な成長痛と、負担の蓄積で起こるスポーツ障害の違いを整理してみましょう1。
骨の成長スピードに筋肉が追いつかない「成長期の骨」の仕組み
成長期の骨には、骨端線(こつたんせん)と呼ばれる軟骨の部分があります。ここが伸びることで身長が伸びていきますが、この時期は骨の成長スピードに筋肉や腱の柔軟性が追いつかないことがあります。すると筋肉が骨を強く引っ張る形になり、付着部に負担が集中しやすくなると考えられています。大人よりも軟骨が多く、外からの力に対してデリケートな時期といえるでしょう1。
一時的な痛みで夕方から夜間に起こりやすい「成長痛」の特徴
一般に「成長痛」と呼ばれるものは、日中は元気に走り回っているのに、夕方から夜間、あるいは寝る前に痛みを訴えるケースが多く見られます。痛む場所がその都度変わったり、翌朝には普段どおり過ごせたりするのも一つの特徴とされています。押しても特定の一点に強い痛みが出にくく、腫れや熱を持たないことが多いといわれます。とはいえ自己判断が難しいときは、無理をせず確認しておくとよいでしょう。
運動中に痛みが増す「スポーツ障害(オスグッド病など)」の特徴
一方、練習中や運動後に痛みが強まり、休むと和らぐという場合は、オスグッド病などのスポーツ障害が考えられます。膝のお皿の下を押すと限られた一点に痛みが出たり、シンスプリントや疲労骨折のように同じ動作の繰り返し(オーバーユース)で症状が現れたりすることが知られています。夜間だけでなく運動と痛みが連動している点が、成長痛との見分けの手がかりになります1。
親が家庭で確認できる「子どもの膝の異常」簡易セルフチェック法
お子さんの痛みが様子を見てよいものか、それとも受診を検討すべきか。その判断には、保護者の観察が大きなヒントになります。家庭でチェックできるポイントを整理しました1。
痛む場所の特定とタイミングによる見分け方
まず確認したいのは「どこが」「いつ」痛むかです。膝のお皿の下の出っ張った部分(脛骨粗面)を押して痛がる、走る・ジャンプする・階段を上るといった特定の動作で痛みが強くなる。こうした場合は、負担が一点に集中しているサインかもしれません。痛む場所を指一本で示せるかどうかも観察の手がかりになります。「どんなときに痛い?」とお子さん本人に具体的に聞き、メモしておくと受診時の説明にも役立つでしょう。
早めの受診を検討したい3つの初期兆候
次の3つのサインが見られる場合は、早めの受診を検討しましょう。①歩き方が不自然(かばうように歩く)②膝が腫れている・熱を持っている③数週間経っても痛みが引かない、この3点です。とくに腫れや熱感がある、動作をかばう様子が続くといった状態は、家庭でのケアだけで判断せず、専門的な確認をおすすめします1。
成長期の骨に無理な負荷をかけないための運動コントロール
痛みを我慢しながら練習を続けると、負担がさらに蓄積することがあります。この時期は、重いウエイトを扱う筋力トレーニングよりも、自分の体重を使った体幹トレーニングやストレッチに切り替えるのも一つの方法です。運動量を一律にゼロにするのではなく、痛みの様子を見ながら段階的に調整していく視点を大切にしたいところです。
骨の成長と回復を支える家庭でのケアと生活習慣

医療機関での確認と並行して、家庭でできる取り組みも成長期の身体づくりを支えます。食事・睡眠・道具の3つの視点から見ていきましょう。
骨を強くし疲労骨折を防ぐための食事・栄養(カルシウム・ビタミンD・タンパク質)
骨の材料となるカルシウム(牛乳・小魚・大豆製品)、その吸収を助けるビタミンD(鮭・きのこ類)、筋肉や骨の土台をつくるタンパク質(肉・魚・卵)。これらをバランスよく取り入れることが基本と考えられています。特定の食品に偏らず、主食・主菜・副菜をそろえた食卓を意識すると、必要な栄養を無理なく届けやすくなります。日光を適度に浴びることも、ビタミンDの働きを支える一助となるといわれます。
成長ホルモンの分泌を促し組織修復を助ける睡眠の質
運動で使った身体の組織の修復には、睡眠中に分泌される成長ホルモンが関わっていると考えられています。睡眠時間を十分に確保することに加え、就寝前のスマートフォン使用を控える、部屋を暗くするといった工夫で、睡眠の質を高めやすくなります。練習と休息のバランスを整えることが、成長期の身体づくりの土台といえるでしょう。
足元からの衝撃を和らげる適切なスポーツシューズ・インソールの選び方
走ったりジャンプしたりする際、足裏で受けた衝撃は膝や腰にも伝わります。サイズが合い、クッション性のあるシューズを選ぶことは、負担を和らげる基本的な対策の一つです。足のアーチをサポートするインソール(中敷き)も選択肢のひとつでしょう。当院ではインソール治療にも取り組んでおり、足の状態に合わせたサポートをご相談いただけます。
越谷市で部活と通院を両立するために〜西郷整形外科リハビリクリニックでのサポート
「治療のために長く運動を休むことになるのでは」「仕事や部活の合間に通えるだろうか」——そんな不安をお持ちの保護者の方へ、当院での取り組みをご紹介します1。
超音波診断装置(エコー)を用いた被ばくのない詳細な骨・軟骨検査
レントゲンだけでは分かりにくい初期の軟骨や腱の変化、炎症の様子をリアルタイムに確認しやすいのが超音波診断装置(エコー)です。放射線を使わないため身体への負担が少なく、繰り返し状態を確認したい成長期のお子さんにも用いやすい検査方法といえます。当院では超音波診断装置を備え、整形外科の医師が症状に応じた検査を行っています。痛みの原因を丁寧に見極めたうえで、今後の方針をお伝えします。
リハビリテーション専門スタッフによる競技復帰に向けた計画的な指導
ただ安静にするだけでなく、身体の硬さやフォームの乱れを整え、負担が再びかかりにくい身体づくりを目指す。それがリハビリテーションの役割です。当院では、国家資格を持つ理学療法士が一人ひとりの状態に合わせたプログラムを組み、段階的に指導しています。理事長自身がラグビーでのケガと復帰を経験しており、競技を続けたい気持ちに寄り添う姿勢を大切にしています。学業や部活と両立できるよう、通院のペースもご相談いただけます1。
よくある質問
Q1. 成長期に骨を強くするにはどうしたらいいですか?
A. カルシウム・ビタミンD・タンパク質をバランスよく含む食事、十分な睡眠、そして適度な運動が基本の組み合わせとされています。特定の食品や運動に偏らず、生活全体を整える視点が大切です。
Q2. 中学生が骨を強くするには何を意識すればよいですか?
A. 食事と睡眠に加え、練習量と休息のバランスをとることがポイントです。痛みがあるときは無理をせず、状態に応じて運動量を調整することをおすすめします。
Q3. 成長期に膝の下の骨が出てくるのはなぜですか?
A. 成長期は骨端線という軟骨部分が伸びる一方で、筋肉が骨を引っ張る力が集中しやすく、膝のお皿の下(脛骨粗面)が出っ張って感じられることがあります。痛みや腫れを伴う場合は確認をおすすめします。
Q4. 成長期に多いスポーツ障害にはどんなものがありますか?
A. 膝のオスグッド病、すねのシンスプリント、繰り返しの負担による疲労骨折などが代表例として知られています。同じ動作の繰り返しで痛みが出る場合は注意が必要です。
Q5. 部活を休まずに通院することはできますか?
A. 症状や状態によって対応は異なりますが、運動量を段階的に調整しながらリハビリを進める方法もあります。通院のペースについてもご相談いただけますので、まずは状態を確認しましょう。
参考文献
1. 公益社団法人 日本整形外科学会. 骨・関節・脊椎・スポーツ外傷の診療に関する学術情報. https://www.joa.or.jp/
東京医科歯科大学附属病院
さいたま赤十字病院
済生会川口総合病院(非常勤)
獨協医科大学埼玉医療センター
東埼玉総合病院
日本リハビリテーション医学会
日本股関節学会
日本人工関節学会
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