
大会前に出てきた脛の内側の痛み、どう扱うか迷っていませんか
走行距離を伸ばした2週間ほど前から、脛の内側がジンジンする。休むべきか、量を落として続けるか——判断がつかないまま検索を続けている方に向けて、痛む場所と強さから状態を整理する目安、疲労骨折との見分け方、受診を検討したいサインをまとめました。まず確かめたいのは「痛む範囲の広さ」と「翌日に残るか」の2点です。
この記事の要点まとめ
- すねの内側の広い痛みは急な負荷増加が関わりやすく、痛む範囲や翌日への影響が状態の目安となります。
- 走行中や翌日も痛む際は練習量を調整し、冷却や股関節の運動ケアを取り入れる選択肢があります。
- 狭い一点の強い痛みや長引く症状は疲労骨折も考えられるため、整形外科への相談が有用です。
シンスプリントとは?すねの痛む場所で分かる症状の特徴
シンスプリントは、正式には過労性脛骨骨膜炎と呼ばれます。すねの骨(脛骨)に沿って痛みが出るもので、まずは痛む位置と痛みの性質を整理すると、自分の状態を言葉にしやすくなります。
すねの内側に出るジンジンとした痛みの特徴
痛みが出やすいのは、脛骨の内側のふち。足首の少し上からひざ下に向かう5〜15cmほどの範囲に、ズキズキ、ジンジンとした鈍い痛みが出ます。指で押すと骨に沿って広く痛む感じがあり、走り始めは気になっても動いているうちに薄れ、練習後や翌朝にまた出てくる——そんな波のある出方をすることもあります。
痛む場所で見分ける前面の痛みと内側の痛みの違い
すねの前面(やや外寄り)がパンパンに張って痛むときは、つま先を持ち上げる前脛骨筋の疲労が関わることが多いとされます。一方、内側のふちに沿った痛みは、後脛骨筋やヒラメ筋が引っ張る力が骨膜に及んで生じると考えられています。自分がどちらに近いかは、脛骨のふちを指でなぞってみるとおおよそ見当がつきます。
運動不足ではなく急激な負荷増加が原因という誤解
「運動不足だから痛むのでは」と考える方は少なくありません。実際には走り始めて間もない初心者ランナーや新入部員に多く、短期間で走行距離や強度を増やした場面で起こりやすいことが報告されています3。加えて、着地時の骨盤の傾き、股関節の内旋、足部が内側へ倒れ込む扁平足傾向なども関連要因として挙げられています3。問題になりやすいのは走る量そのものより、増やし方の急さと身体の使い方です。
走ってもよい痛みか?セルフチェックと重症度の目安

練習を続けるかどうかは、痛みの強さと出るタイミングを段階に分けて眺めると整理しやすくなります。あくまで一般的な目安であり、最終的な判断は診察が前提です。
痛みの強さで見る4段階の目安(軽い違和感から安静時痛まで)
目安として整理すると、以下のような傾向が見られます。
- 第1段階:ウォームアップ中だけ違和感があり、走り出すと薄れる
- 第2段階:走行中も痛むが、日常生活では気にならない
- 第3段階:走行中ずっと痛み、フォームが崩れる
- 第4段階:歩行時や安静にしているときも痛む
段階が進むほど、練習量の微調整だけでは収まりにくくなります。
練習を続けてよい痛みと休むべき痛みの境界線
見るポイントは2つ。走っている間に痛みが強くなっていくか、そして翌日以降にも残るかです。走行後も痛みが長引く、痛む範囲が日ごとに広がる、無意識に歩き方をかばう——このいずれかがあれば、距離や強度を落とす、あるいは一度立ち止まる判断材料になります。逆に第1段階で走行後に引くなら、量を抑えつつ経過を見る選択もあり得ます。我慢して走り続けた結果、段階が進んでから相談に来られる例は珍しくありません。
疲労骨折との違い・見分け方のポイント
シンスプリントは骨に沿って広い範囲が痛むのに対し、脛骨の疲労骨折では指1本で押さえられるほど狭い一点に強い圧痛が集まりやすく、腫れや熱感、片脚跳びでの痛みを伴うことがあります3。ただし両者が重なることもあり、押した感覚だけで切り分けるのは簡単ではありません。画像検査などを組み合わせて確認する意味があると整理されています3。
大会までにできる初期対応とセルフケアの方法

残り期間を考えると、完全に止めるか続けるかの二択で悩みがちですが、間には負荷の調整という幅があります。
違和感を感じた直後のアイシングと安静の考え方
運動後に違和感が出たら、氷やアイスパックで15〜20分程度を目安に冷やし、感覚が戻ってから必要に応じて繰り返すのが一般的な手順。第1〜2段階であれば、距離を短縮する、アスファルトを避けて土や芝など柔らかい路面を選ぶ、水泳やサイクリングといった脛への衝撃が少ない運動に一部を置き換えるといった調整が選択肢になります。走らない日を挟むことで、心肺の維持と回復を両立させる考え方です。
股関節周りの筋力トレーニングで着地の衝撃を減らす方法
股関節の外転筋を鍛える運動を加えた検討では、着地時の反対側の骨盤の落ち込みや膝が内へ入る角度が小さくなったと報告されています1。横向きに寝て脚を持ち上げる運動、ゴムバンドを使ったサイドステップなど、自宅でできる内容から始められます。痛む脛だけを見ず、股関節から見直すのが遠回りに見えて近道になることもあります。
シューズ・インソールの見直しで足への負担を分散する
アーチを支えるインソールを運動療法や冷却などに組み合わせた検討では、痛みの指標に違いがみられたとする報告があります2。走り込みで底が潰れたシューズをまず点検し、必要に応じて足の形に合わせた中敷きを検討する流れが現実的でしょう。既製品なら数千円程度から、足型や足底圧を測って作製する自費のものは数万円程度までと幅があり、一般的な相場として知られています。これは相場であり当院の費用ではなく、実際の費用は医療機関により異なります。自費で作る場合は公的医療保険が適用されず、足に合わない形状では膝や腰へ別の負担がかかることもあるため、計測と調整を前提に検討してください。
受診を検討すべきサインと越谷市で相談できる整形外科
自己判断が難しいのは、シンスプリントと疲労骨折が同じ場所に出るためです。次のような変化があれば、一度状態を確認してもらう方が、残り期間の使い方も決めやすくなります。
安静時にも痛む・腫れが強いなど受診を検討したいサイン
歩行や立ち仕事でも痛む、じっとしていても脛が痛む、腫れや熱感がある、痛む場所が指一本の範囲に絞られてきた、2週間以上痛みが引かない。どれか当てはまるなら、様子見を続けるより相談する方が判断材料が増えます。大会が近い時期ほど、練習をどう組み替えるかまで含めて話しておく価値があります。
レントゲン・超音波検査と骨密度チェックでわかること
レントゲンは骨の形を確認できますが、初期の疲労骨折は写りにくいことがあります。そのため超音波診断装置で骨膜や周囲の組織の状態を確認したり、必要に応じてCTやMRIなど別の検査を検討する流れが取られます3。走行距離が多い方では骨そのものの状態も背景になり得るため、骨密度の測定を組み合わせて全身の条件を確認する考え方もあります。
越谷市で通いやすいリハビリ設備のあるクリニックの選び方
運動器のリハビリは一度で完結しないことが多く、平日夜や土曜に立ち寄れるか、駅からの動線が通勤経路に合うかが継続のしやすさを左右します。平行棒やレッグプレス、エアロバイクなど段階的な運動療法に使える設備があるか、理学療法士が在籍しているかも確認したい点。仕事と育児の合間に通うなら、生活動線の中にあるかどうかが一番の続けやすさになります。 当院では、痛みの辛さや治療中の不安に寄り添い、わかりやすく丁寧に説明する姿勢を大切にしています。越谷市で脛の痛みが2週間以上続いているなら、次の練習計画を決める前に、一度状態を言葉にしてみることをおすすめします。
よくある質問
Q. ランニングで脛が痛くなるのはなぜですか?
A. 走行距離や強度を短期間で増やしたとき、着地の衝撃と、ふくらはぎ側の筋肉が脛骨を引っ張る力が繰り返し加わることが背景として挙げられています。骨盤の傾きや足部が内側へ倒れ込む傾向など、身体の使い方も関わるとされています。
Q. シンスプリントはどこが痛くなるのですか?
A. 多いのは脛骨の内側のふちで、足首の少し上からひざ下に向かう範囲に、押すと広く痛む感じが出ます。すねの前面が張って痛む場合は別の筋肉が関わっていることもあります。
Q. すねが痛むのは運動不足が原因ですか?
A. 運動不足そのものより、走り始めた時期や急に量を増やした時期に起こりやすいと報告されています。筋力や柔軟性の不足が背景になることはありますが、「動いていないから痛む」と単純に結びつけない方がよいでしょう。
Q. 走りながら様子を見ることはできますか?
A. ウォームアップ中だけ違和感があり走行後に引く段階なら、量を抑えて経過を見る選択もあります。一方で走行後24時間以上痛みが残る、安静時も痛むといった場合は、走り方や量の調整だけで対応しにくくなります。
Q. 走れるようになるまでどのくらいかかりますか?
A. 期間は段階や背景となる要因によって大きく異なり、一律の目安を示すことはできません。痛みが出るまでの経過、痛む範囲、検査所見を踏まえて、負荷を段階的に上げる計画を立てるのが一般的な進め方です。
参考文献
1. Lashien SA, Abdelnaeem AO, Gomaa EF. Effect of hip abductors training on pelvic drop and knee valgus in runners with medial tibial stress syndrome: a randomized controlled trial. Journal of Orthopaedic Surgery and Research. 2024. PMID: 39468623 / DOI: 10.1186/s13018-024-05139-3
2. Naderi A, Bagheri S, Ramazanian Ahoor F, et al. Foot Orthoses Enhance the Effectiveness of Exercise, Shockwave, and Ice Therapy in the Management of Medial Tibial Stress Syndrome. Clinical Journal of Sport Medicine. 2022. PMID: 33797477 / DOI: 10.1097/JSM.0000000000000926
3. Menéndez C, Batalla L, Prieto A, et al. Medial Tibial Stress Syndrome in Novice and Recreational Runners: A Systematic Review. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2020. PMID: 33066291 / DOI: 10.3390/ijerph17207457
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さいたま赤十字病院
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獨協医科大学埼玉医療センター
東埼玉総合病院
日本リハビリテーション医学会
日本股関節学会
日本人工関節学会
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