スポーツの怪我は整形外科か接骨院か?仕事や競技復帰への選び方|西郷整形外科リハビリクリニック越谷院|埼玉県越谷市の西郷整形外科

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スポーツの怪我は整形外科か接骨院か?仕事や競技復帰への選び方

スポーツの怪我は整形外科か接骨院か?仕事や競技復帰への選び方

足首を痛めたとき、まずどちらへ行くか迷っていませんか


試合中に足首を強くひねり、腫れと歩くときの痛みが残っている。来週には外回りの仕事も、大切な試合も控えている——そんな場面で、整形外科と接骨院のどちらへ向かうか迷う方は多いものです。この記事では、両者の役割の違い、骨折や靱帯損傷を見極めるための検査、復帰までの道筋の立て方を整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 整形外科は診断や画像検査が可能で、接骨院は急性外傷の施術を担う点に違いがある
  • 体重をかけて歩きにくい、腫れが強いなどは画像での確認を検討する目安となる
  • 保険の併用や労災、学校の共済給付には手続き上の注意点がある

スポーツの怪我における整形外科と接骨院の根本的な違い

スポーツの怪我における整形外科と接骨院の根本的な違い

似た場面で名前が挙がる両者ですが、法律上の位置づけも、対応できる範囲も異なります。ここを押さえておくと迷いがぐっと減ります。


医師による医学的診断と柔道整復師による施術の領域


整形外科は医師が診察する医療機関で、問診・触診・検査をもとに病名を特定する「診断」を行えます。骨折なのか、靱帯のどの部分がどの程度傷んでいるのかを判断し、そこから治療方針を組み立てていきます2


対して接骨院・整骨院は、柔道整復師という国家資格者が施術を行う施設であり、医療機関ではありません。骨折・脱臼は応急手当を除いて医師の同意が必要とされ、扱える範囲は打撲・捻挫・挫傷といった急性の外傷に限られます。つまり「診断」という行為を行えるのは医師のみ。ここが大きな違いです。


レントゲンや超音波など画像検査を行えるかどうかの差


足首の腫れが強いとき、見た目や痛みの強さだけで骨折の有無を見分けるのは容易ではありません。剥離骨折のように、歩けてしまうタイプの骨折もあるためです。


整形外科ではレントゲンで骨の状態を確認し、必要に応じて超音波診断装置で靱帯や腱の損傷部位をその場で観察できます。さらに詳しい評価が必要な場合は、MRIを目的に連携医療機関へ紹介する流れもとれます2。接骨院には画像診断装置がないため、内部の状態を画像で確かめることはできません。


消炎鎮痛薬の処方や注射・診断書発行への対応


消炎鎮痛薬の内服・外用の処方、関節内注射といった医行為、手術が必要かどうかの判断や紹介は、いずれも医師の領域です1。休職・休業や競技団体への提出に用いる診断書を発行できるのも医師に限られます。来週の仕事や試合の可否を書面で示す必要があるなら、整形外科の受診が前提になるとお考えください。


足首の捻挫や打撲で整形外科を優先すべき判断基準


「ただの捻挫」と思っていた怪我が、実際には骨折や靱帯の大きな損傷であったというケースは珍しくありません。次のような状況では、画像検査を行える整形外科での確認を検討してください。


骨折や完全断裂が疑われる自覚症状のチェック項目


  • 受傷直後から体重をかけて4歩以上歩くのが難しい
  • くるぶしの骨の出っ張りを押すと、ピンポイントで強い痛みがある
  • 数時間で腫れが急に増し、内出血(皮下出血)が広範囲に広がってきた
  • 受傷時に「ブチッ」「ボキッ」という音や感覚があった
  • 関節がぐらつく、足の向きや形に左右差がある
  • しびれや冷感、指先の色の変化がある

当てはまるものがあれば、自己判断で様子を見るより、まず画像で骨と靱帯の状態を確かめる流れが望ましいと考えられます2。ひとつも該当しない場合でも、48〜72時間たって腫れや痛みが引かないようなら受診をご検討ください。


受診前に行う応急処置(POLICE処置)の手順


受診までの初期対応としては、従来のRICE処置を発展させたPOLICE処置という考え方が広く紹介されています。


  • P(Protection/保護):テーピングやサポーター、松葉杖などで患部を守る
  • OL(Optimal Loading/適切な負荷):完全な安静を長引かせず、痛みのない範囲で少しずつ体重や動きを加える
  • I(Ice/冷却):氷嚢をタオル越しに15〜20分ほど当て、感覚が戻ったら繰り返す
  • C(Compression/圧迫):弾性包帯で腫れを抑える。しびれが出るほど強く巻かない
  • E(Elevation/挙上):心臓より高い位置に足を上げる

入浴での温めや飲酒、患部を強くもみほぐす行為は、腫れが強い時期には控えめにしておくほうが無難でしょう。負荷をいつどこまで戻すかは損傷の程度で変わるため、医師の評価を受けてから進めると計画が立てやすくなります。


仕事や競技へ早期復帰するためのリハビリテーション環境

仕事や競技へ早期復帰するためのリハビリテーション環境

痛みが落ち着いた後に問われるのは、「元の動きができる状態まで戻せているか」という点です。ここでリハビリの環境が、復帰までの道筋を大きく左右します。


理学療法士による個別リハビリテーションの役割


足関節の捻挫では、腫れが引いた後も関節の可動域制限や、バランスをとる感覚(固有受容感覚)の低下が残ることがあります。これを整えないまま競技に戻ると、同じ場所を繰り返しひねる状態につながりやすいとされています2


国家資格を持つ理学療法士は、関節の動き・筋力・左右差・着地動作などを評価し、その方の競技や仕事内容に合わせた運動療法を組み立てます。営業職で外回りが多い方と、サッカーで切り返し動作が多い方とでは、目指すゴールがそもそも異なるからです。当院では国家資格を持つ理学療法士のみが在籍し、「運動器リハビリテーション施設基準Ⅰ」を満たす体制で、一人ひとりの身体の状態や生活背景に合わせた個別の運動器リハビリを行っています。


超音波治療器や運動機器を活用した機能回復


当院には超音波診断装置に加え、超音波治療器、レッグプレス、エアロバイク、リハビリ平行棒などを備えています。荷重をかけられない時期でも心肺機能を落とさないようエアロバイクを用いる、平行棒で荷重量を調整しながら歩行動作を再学習する、といった段階的な進め方が可能です。


理事長自身、ラグビーでの受傷から手術・リハビリを経験しており、その過程で抱いた不安や疑問を踏まえ、検査結果や治療方針をご納得いただけるまで丁寧にご説明する姿勢を大切にしています。当院では捻挫・骨折・靭帯損傷に対し、競技復帰を見据えた段階的なリハビリと、再発を防ぐための指導までを含めた支援に取り組んでいます。手術を要するケースや緊急性の高い症状については、近隣の総合病院と連携して速やかにご紹介する体制も整えています1


通院前に把握しておきたい併用ルールと公的制度


通院先を決めるうえでは、保険の取り扱いや必要書類のことも知っておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。


同一部位の怪我で同時に通院する際の健康保険の注意点


接骨院での施術に健康保険を使えるのは、打撲・捻挫・挫傷など急性の外傷で、原因がはっきりしている場合に限られます。慢性的な肩こりや疲労回復を目的とした施術は保険の対象外となり、自費扱いです。


気をつけたいのが併用です。同じ部位・同じ時期の怪我について、整形外科での投薬やリハビリと接骨院での施術を同時に保険で受けると、いずれかが保険給付の対象外となる場合があります。骨折・脱臼の施術は、応急手当を除き医師の同意が必要とされています。両方に通いたいときは、まず整形外科で診断を受け、通院計画について医師に相談しておくと落ち着いて進められます。


通勤・業務中の怪我や学校災害共済給付の手続き


仕事中や通勤途中の怪我は、健康保険ではなく労災保険の扱いになります。受診時に「業務中の受傷である」と申し出て、勤務先を通じて所定の様式を提出する流れです。健康保険証で受診すると後から切り替えの手続きが必要になるため、最初の申告が肝心です。


部活動や体育の授業中の怪我では、日本スポーツ振興センターの災害共済給付を利用できる場合があります。学校から渡される医療等の状況の用紙に、受診先で証明を記入してもらう手続きが必要で、様式は医療機関用と柔道整復用に分かれています。どちらに通うかで書類が変わりますから、学校の担当者に確認してから受診するとやり取りが少なく済むでしょう。診断書や後遺障害に関する書類の作成は医師が担う領域という点も、あわせて覚えておくと役立ちます12


よくある質問


Q1. 整形外科と接骨院、どちらを受診したほうがよいですか?


A. 受傷直後で骨折や靱帯損傷の可能性を否定できない段階なら、画像検査と診断を行える整形外科での確認をご検討ください。診断がついてから、どのような通院計画にするかを医師と相談する流れが分かりやすいと思います。


Q2. スポーツ外傷で接骨院の施術は保険適用になりますか?


A. 打撲・捻挫・挫傷など、原因のはっきりした急性の外傷であれば健康保険の対象とされています。ただし慢性的な疲労や肩こりへの施術は対象外です。骨折・脱臼については、応急手当を除き医師の同意が必要とされています。


Q3. 整形外科と接骨院を両方使いたいのですが、問題はありませんか?


A. 同一部位・同時期の怪我について保険を重複して使うことは、制度上認められていません。通いたい施設がある場合は、遠慮なく医師にお伝えください。状態を共有したうえで、通院の進め方を一緒に考えられます。


Q4. スポーツ外傷を扱う診療と一般的な整形外科の診療では、何が違いますか?


A. スポーツ外傷を扱う診療では、日常生活動作の回復にとどまらず、競技特性に応じた動作の再獲得や再発予防までを視野に入れて計画を立てる点が特徴です。当院でも検査・治療から復帰・予防まで幅広く支援しています。


Q5. 湿布だけで様子を見てもよいでしょうか?


A. 軽度であれば経過をみることもあります。ただし、体重をかけて歩きにくい、腫れや内出血が強い、数日たっても変化がないといった場合は、一度画像で状態を確かめておくと今後の計画が立てやすくなります。


参考文献


1. 日本外科学会. https://www.jssoc.or.jp/

2. 公益社団法人 日本整形外科学会. https://www.joa.or.jp/


品田 良太

医師


西郷整形外科リハビリクリニック 越谷院

院長

品田 良太

▶ 監修者プロフィール

経歴
獨協医科大学 卒業
東京医科歯科大学附属病院
さいたま赤十字病院
済生会川口総合病院(非常勤)
獨協医科大学埼玉医療センター
東埼玉総合病院
資格・所属学会
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本リハビリテーション医学会
日本股関節学会
日本人工関節学会