スポーツで痛み止めを飲み続ける危険性と胃や腎臓への負担|西郷整形外科リハビリクリニック越谷院|埼玉県越谷市の西郷整形外科

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スポーツで痛み止めを飲み続ける危険性と胃や腎臓への負担

スポーツで痛み止めを飲み続ける危険性と胃や腎臓への負担

スポーツと痛み止めの連続使用で確かめたい体への負担


スポーツや立ち仕事のために痛み止めを何度も飲むと、汗で水分が減ることも重なって胃や腎臓に負担がかかり、痛みが隠れてけがが悪くなるおそれもあります。薬の成分ごとの違いや、同じ成分を重ねて飲んでいないかの確かめ方、尿の量が減ったり胃がむかついたりしたときの相談先、整形外科で痛みの原因を調べてリハビリを相談する流れをまとめました。今の体の状態を見直す手がかりにしてください。


この記事の要点まとめ


  • 発汗時や空腹時のNSAIDs服用は胃腸や腎臓に負担となることがあるため、成分・量・服用日数を確認します。
  • 痛みが和らいでも損傷が残る場合があるため、薬が切れた後の痛みや腫れを運動再開の目安にします。
  • 尿量の減少や胃の不調は内科へ、続く関節痛は整形外科へ相談し、服薬状況や競技予定を伝えます。

痛み止めを飲み続ける危険性は、汗をかくスポーツの条件で高まる

痛み止めを飲み続ける危険性は、汗をかくスポーツの条件で高まる

お店で買う痛み止めも、病院で出される痛み止めも、飲むときの状況によって体への影響が変わります。たとえば汗をたくさんかく運動のあとや、おなかが空いているときに飲むと、胃や腎臓に負担がかかりやすいといわれています。


発汗と水分不足が重なると、NSAIDsで腎臓への負担が増えやすい理由


汗をかいて体の水分が減ったまま痛み止めを使うときは、尿の量やむくみなど腎臓からのサインに気をつけてください。


持久系競技者の間ではNSAIDsの使用が広くみられる一方、体への影響を心配する声も挙がっています 1。急性腎障害は、数時間から数日のうちに腎臓の働きが急に落ちる状態です 2。暑い環境での作業のあとに水分が足りないまま練習し、そこへ薬を重ねる使い方は避けましょう。


尿の量が普段より減る、足や顔がむくむといった変化は、体からのサインとして捉えてください 2。数か月から数年かけて徐々に機能が落ちる慢性腎臓病とは異なり、急性腎障害は早めの対応で元の状態に戻る可能性があるとされています 3。腎臓の状態は、健診などで行う尿検査(蛋白尿・血尿)や血液検査(血清クレアチニン・eGFR)で調べることができます 4。


胃のむかつきは見過ごさない:練習前・空腹時の服用で起こる胃腸障害


朝食を抜いたときや練習の直前など、おなかが空いているときに痛み止めを飲むと、胃の粘膜が荒れやすくなるといわれています。


服用した翌日に胃のむかつきやみぞおちの違和感があるときは、薬の飲み方を見直すタイミングです。むかつきが続くときは、飲むのをやめて医師や薬剤師に相談してください。


ロキソプロフェン・イブプロフェンとアセトアミノフェン(カロナール)で異なる注意点


痛み止めは成分によって特徴や注意点が異なりますが、どの薬も痛みや炎症を和らげても、傷ついた組織そのものを元に戻すわけではないという点は共通しています 。主な違いを以下の表にまとめました。


成分の分類代表的な成分名炎症を抑える働き主に気をつけたい体の負担
NSAIDsロキソプロフェン、イブプロフェンあり胃腸の荒れ、腎臓への負担
非ピリン系鎮痛薬アセトアミノフェン(カロナールなど)弱い規定量を超えたときの肝臓への負担

アセトアミノフェンは胃腸への負担が少なめとされる一方、腫れや熱感といった炎症を抑える力は弱めです。なお、胃腸や腎臓の持病がある方、喘息のある方、血をさらさらにする薬(抗凝固薬など)を飲んでいる方は、自己判断で服用せず事前に医師や薬剤師へご相談ください。


妊娠中の方も、自分の判断で飲まずに医師や薬剤師に相談してください。ロキソプロフェンなどのNSAIDsは妊娠の終わりごろには使えず、市販薬では出産予定日の12週前からは飲まないよう書かれています。それより前の時期でも、おなかの赤ちゃんの腎臓の働きが落ちたり、羊水が減ったりすることがあるため、医師が必要と判断したときに限って使います。


市販薬と処方薬の成分重複、1日量・連続使用日数を確かめる手順


痛みが出る前の「予防飲み」や、複数の薬の併用は、気づかないうちに服用量を増やしてしまいます 1。手元の薬を使うときは、次の手順で中身を確かめてください。


  • 箱や説明書の「成分・分量」のところを見て、中に入っている成分の名前が重なっていないかを見る(かぜ薬や頭痛薬にも、同じ痛み止めの成分が入っていることがあります)
  • 1日の上限回数、次の服用までに空ける時間、「〇日以上続けて服用しない」という記載を読む
  • お薬手帳に市販薬の名前も書き留め、処方薬と合わせる前に薬剤師へ見せる

製品ごとの用法・用量を守り、箱に書かれた日数を超えても痛みが残る場合は、薬を続けるのではなく医療機関で原因を調べることが推奨されます。


ポイント

汗による水分不足や空腹時の服用は、痛み止めによる腎臓・胃腸への負担を強めることがあります。成分の重複や連続使用日数を確かめ、漫然と飲み続けないことが大切です。


薬で痛みが引いても怪我は治っていない:運動を控える目安と受診先の選び方


鎮痛薬で痛みが和らいでいる間は動けてしまうため、状態が良くなったと受け止めてしまいがちです。しかし組織の損傷が残ったまま負荷をかけ続けると、かえって元の状態に戻るまでに時間がかかる原因になります 51。


「飲めば走れる」は回復の目安にならない:薬が切れたときの痛みで判断する


運動を続けてよいかどうかは、薬が作用しているときではなく、薬が切れたときの体の状態で判断します。薬で痛みの信号だけを遮断して走ったり蹴ったりすると、傷ついた靭帯や軟骨、腱にさらなる負担が重なってしまいます。


確認したいのは、薬を飲んでいない時間帯の階段の上り下りや、しゃがむ動作、そして練習翌朝の痛みです。関節の腫れや熱感がないかも確かめてください。痛みの強さを「0(痛みなし)〜10(想像できる最大の痛み)」の10段階で手帳に記録しておくと、変化を客観的に把握しやすくなります。


記録した数字が下がらない、あるいは徐々に上がっている場合や、2週間前後痛みが続く場合、日常生活の動作でも痛む場合は、運動を控えて整形外科へ相談する目安になります。「プレーはできるけれど本調子ではない」という感覚も、身体機能を見直すサインです。


服用をやめて急いで受診すべき症状と、内科・救急への相談の分け方


今出ている症状によって、相談すべき診療科と緊急度が変わります。膝などの関節や筋肉の痛みは整形外科の領域ですが、胃腸や腎臓の不調が疑われるときは内科や救急への相談が必要です。


黒い便(タール便)が出る、吐血やコーヒーのかすのような嘔吐がある、強い腹痛があるといった場合は、すぐに薬の服用をやめて救急外来や内科を受診してください。尿がほとんど出ない、急なむくみや息苦しさがあるときも、同じように速やかに受診してください。


そこまでの強い症状はなくても、胃のむかつきが続く、尿の量がいつもより少ないと感じる段階では、追加の服用と運動を控えて水分を補給します。それでも落ち着かないときは、早めに内科で相談してください。腎臓の働きは尿検査や採血(クレアチニン・eGFR)で確認できます 42。


越谷市の当院で膝の痛みを相談するときの診察とリハビリの流れ


若い競技者を含め、スポーツの痛みでは鎮痛薬に頼り続けるのではなく、怪我の性質を見極めて計画的に対処していく考え方が重視されています 5。一般的な整形外科の診察では、問診や触診に加え、骨の状態をみるレントゲンや、靭帯・腱の炎症などをその場で観察できる超音波診断装置(エコー)などを必要に応じて用い、痛みの出どころを調べます。


越谷市にある西郷整形外科リハビリクリニック 越谷院でも、痛む部位だけでなく、体幹の安定性や筋力のバランス、フォームのクセまで含めて怪我の発生メカニズムを分析することを大切に考えています。痛みが引いて日常生活に戻れた状態と、切り返し動作などを含めて競技で本来の力を発揮できる状態とは別物だからです。リハビリでは理学療法士が一人ひとりの身体の状態に合わせ、筋力トレーニングやストレッチ、レッグプレスやエアロバイクなどの機器も活用しながら段階的な運動プログラムの進行を支えます。


また、足底圧を測って作製するインソール(中敷き)で足元から負担を分散する方法もあります。インソールは既製品なら数千円程度、足型や足底圧を計測して作る自由診療(公的医療保険が適用されない)のものは1万〜数万円程度が一般的な相場です。記載した金額は一般的な相場であり当院の費用ではありません。当院の費用は診察のうえでご案内します。なお、主なリスク・副作用として、使い始めに足裏やふくらはぎの違和感・筋肉痛、靴擦れや皮膚の赤み・水疱などが生じることがあります。足に合わない形状のまま使い続けると足首や膝、腰の痛みが強まるおそれがあるため、計測と微調整を前提に検討してください。


仕事や大会を休みにくい人が受診前にまとめておきたい情報


「受診したら一律に運動禁止と言われるのではないか」とためらう方もいらっしゃいます。私自身やスタッフも、競技スケジュールや職場での立場、ご本人の目標を踏まえたうえで、今できることと控えるべきことを整理し、その先にある生活を見据えた計画をご提案するよう心がけています。


受診の際は、次の情報をメモして伝えると方針の相談がスムーズに進みます。


  • 飲んでいる薬の名前と中に入っている成分、1日に飲む回数、何日つづけて飲んだか(お薬手帳や、薬の箱を撮った写真でもかまいません)
  • 痛みが出はじめたころとそのきっかけ、薬が切れたときの痛みを10段階で表すとどう変わってきたか
  • ふだんの仕事の内容(立ちっぱなしの仕事や暑いところでの作業など)と、週末に練習する回数、近くひかえている大会の日にち
  • 胃のむかつきやおしっこの量の変わり方など、膝のほかに気になる体の変化があるか

これらを共有することで、休む期間を抑える工夫や、薬に頼りきらない対処、再び痛めにくい身体づくりまで含めて一緒に考えることができます。当院の診療時間は診療時間・アクセスのページでご案内していますので、抱えている不安があれば気兼ねなくお話しください。仕事もスポーツも長く続けていくために、まずは今の状態を確認することから始めてみてください。


ポイント

尿の量がひどく減ったときは 2、黒い便が出たときと同じく服用をやめて内科・救急へ相談します。薬が切れるとぶり返す膝の痛みは整形外科へ相談します。服薬状況と生活・競技の予定を伝えることが、無理のない復帰計画につながります。


よくある質問


Q1. 痛み止めを毎日飲み続けても大丈夫ですか?


A. 自己判断で市販薬を毎日飲み続けることは避けましょう。特にNSAIDs(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)を長期間・頻繁に使うと、胃の荒れや、腎臓への負担 2 が生じるおそれがあります。製品に表示された日数を超えても痛みが続く場合は、服用を続けて様子を見るのではなく、医師にご相談ください。


Q2. 痛み止めを飲みすぎると体はどうなりますか?


A. 決められた量や回数を超えて服用すると、急性腎障害 2 や、胃潰瘍・消化管出血といった副作用が起こるおそれが高まります。さらに、スポーツの場面では痛みが薬で隠されるため、怪我の悪化に気づかず動いてしまう点にも注意が必要です 51。薬が効かないと感じるときは、怪我の悪化など別の理由が隠れていることがあります。


Q3. 仕事や練習を休めないとき、薬以外にどんな対処ができますか?


A. 練習直後に熱感や腫れがあるときはアイシングで冷やし、ジャンプやダッシュ、深い屈伸など痛みが出る動作だけを一時的に減らす工夫が挙げられます。サポーターやテーピングで関節の動きを補助する方法もありますが、これらは痛みの原因そのものを取り除くものではありません。仕事の動線や大会までの日程を医師や理学療法士に伝え、負担のかかりにくい身体の使い方や段階的な運動メニューを相談することをご検討ください。


参考文献


1. Cole PL, Bontemps B, Pugh J et al. The prevalence and perceptions of non-steroidal anti-inflammatory drug use among ultra-endurance runners. Research in sports medicine (Print). 2026. PMID: 40947642 / DOI: 10.1080/15438627.2025.2561040

2. 日本腎臓学会. 急性腎障害と慢性腎臓病(一般のみなさまへ). https://www.jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms04.php

3. 腎不全(急性・慢性)の透析治療│近畿大学病院. https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/kidney_failure.html

4. 日本腎臓学会. 腎臓検診でわかること(一般のみなさまへ). https://www.jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms02.php

5. Benjamin HJ, Perri MM, Leemputte J et al. Opioids and Youth Athletes. Sports health. 2024. PMID: 38366642 / DOI: 10.1177/19417381241228629


品田 良太

医師


西郷整形外科リハビリクリニック 越谷院

院長

品田 良太

▶ 監修者プロフィール

経歴
獨協医科大学 卒業
東京医科歯科大学附属病院
さいたま赤十字病院
済生会川口総合病院(非常勤)
獨協医科大学埼玉医療センター
東埼玉総合病院
資格・所属学会
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本リハビリテーション医学会
日本股関節学会
日本人工関節学会